実用:葉巻の熟成

Dr.MatchPlayのワールド・シガー・ガイド

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<葉巻の熟成について>
一般に葉巻はワイン等と同様に熟成すると言われております。しかし、ワインと同様に銘柄や製造時期によっては寝かせても熟成しないものもあるようです。そこで、私は、
1) 取り敢えず1本喫う。喫って風味が好みかどうかを確認する。
2) 2−3ヶ月程経ってもう1本喫う。喫って風味が好みかどうかを確認する。

という具合に一定期間を経ての風味の変化を確認するようにしています。そして、好みの風味だと思ったり、あるいは風味に変化がないようであれば「熟成には不適」と考えてそのまま喫い続けることにしています。

さて、葉巻を旨く喫ったり、保存や熟成に適した状態を保つには葉巻に重量の13−14%の水分が含まれていなければならないと言われています。そして、そのためには葉巻と触れる大気中の相対湿度を70%前後に保たなければなりません。

葉巻の保管実践論でも述べておりますが、葉巻作法的美学からは「前後」などと曖昧ではなくピタァリの71%とします(笑)

くどくなりますが......気温20度で1気圧の大気1立方メートル当たりに約15グラムの水分が含まれていると湿度計の表示は100%を示します。そして、その状態を「相対湿度100%」と表現します。そして、相対湿度71%とは「気温20度で1気圧の大気1立方メートル当たりに約10.65グラムの水分が含まれている状態」を示すことになります。この状態を保つことが葉巻の保存や熟成に不可欠です。

また、「気温20度で1気圧の大気1立方メートル当たりに約10.65グラムの水分が含まれている状態」ということは、気温が上下することで湿度計の表示が変わるということを示しています。
つまり、気温が上がれば湿度計の表示は下がり、気温が下がれば湿度計の表示は上がります。ということは、湿度計のみが71%を示していれば良いということではなく、気温も一定でなければならないということです......

しっかぁし、葉巻作法的美学の見地より、また、葉巻の保管実践論にもある通り、あくまでも「気温華氏70度で相対湿度71%の新鮮な空気が流れている状態」にコダワリたいのでアリマァス(笑)そして、この状態を保つことにより葉巻は徐々に熟成するのでアリマァス。

理論は分かった、具体的にどうすんじゃいというと......気温と湿度を一定に保つのは至難のワザなのでもアリマァス......あれまぁ(笑)
      

葉巻の熟成

<1年未満>

キューバ煙草公社は手巻き葉巻の場合には収穫後1年寝かせて熟成した煙草を使用すると言っています。しかしながら、一方で生産量は1997年には前年の40%、1998年にはさらに60%と相次いで増やしているために品質低下を懸念する声が大きいことも事実です。そして、現実に1998年製造のものは1992年製造のものと比較して品質にムラがあるように思われます。
さて、本題ですが熟成年数が短い葉巻には独特の家畜臭というかアンモニア臭があり
ます。そこで製造年度が入手した年と同じ場合には......喫おうと思ってせっかく買ったのに......気持ちはわかりますが、じっとガマン!そのまま寝かせることをお勧めします

<1年以上>

熟成状況を確認するために最初の1本を試すに良い時期だと思われます。好みの風味であればそのまま続けて喫っても良いでしょうし、あるいはもう暫く寝かせてみるのも悪くないと思います。更にガマンガマン!

<2、3年以上>

欧州の葉巻販売会社ではキューバから届いた葉巻をそのまま小売せず、数年の熟成期間を経た後に店頭に出すという習慣を守りつづけるところがあります。その伝統はインターネット時代の現在にも受け継がれており、あるサイトでは在庫リストの表示に「在庫あり」「在庫切れ」と「未熟成」という言葉を見ることができます。
さて、銘柄にもよりますが2−3年を経たものは「喫い頃」を迎えています。ラッパーに油成分が浸透し深く炒ったコーヒー豆のような深みのある艶が出ているでしょう。もし、2年を経て風味が1年前と変わらないようであれば、それ以上の熟成は必要ないと思われます。ジャンジャン喫ってしまいましょう!

<5年以上>

徐々に銘柄特有の風味が薄れる時期を迎えると言われています。しかし、1992年製造のCOHIBA ESPLENDIDOSの場合には色はいよいよ濃くなり、あるいは白カビのような粉(BLOOM)が発生しています。そして、味は文句無し、最高です!
えっ?普通の人には分からない??猿に万札???
熟成中ということを忘れがちですから、ほったらかしにならないように要注意!

<10年以上>

所謂VINTAGEという段階を迎えることになりますが、銘柄特有の特徴は薄れ......荒削りで猛々しかったものも円やかな風味になると言われています。
所有しているキューバ産DAVIDOFF #1は1986年から1989年の間に製造されており、それぞれ10年以上を経過していることになります。
残念ながら私はDAVIDOFFがキューバで製造されていた頃の味を知りません.......好みが分かれるところですが、オークションで高値で取引きされるほどに熱狂的な愛好家が存在することも紛れもない事実です。
もう、ここまで来ると何時から寝かせたままになっているのかを思い出せないかも知れませんね(笑)

                      

<Flor de Rafael Gonzalez>

1920年代の終わり、英国市場向けに創設されたRAFAEL GONZALEZという銘柄があります。白っぽい箱に入った軽めの葉巻ですが、その釘止めされた箱の蓋には、「これらの葉巻は西班牙の貴族、MARQUEZ RAFAEL GONZALEZに選び抜かれたVUELTAABAJO種の煙草を20年以上の長きに渡って伝承される秘伝の方法で調合し、製造されておりまする。
目利きの皆様方により完璧なる芳香をお楽しみ頂くために、ハバナ積出しの日より一月以内、あるいは丁寧に熟成させること一年の後に火を点じ

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て頂きますよう申し上げ奉りまする。(署名)(押印)」
というような内容の手書きのメッセージが印刷されております。

なぜ、このようなメッセージが残されているのかということは謎(?)ですが、葉巻の味わい方のヒントであることは間違いありません。GONZALEZ氏によれば「蔵出し直後の新鮮な状態」か、「熟成が進んだ状態」が、それぞれに旨
いと。つまり、出来たてのホヤホヤのものは旨く、また、じっくり寝かせたものも味わいがあるということを示唆しているように思います。