2006年10月30日

Nikon Mikron 復刻版 - 1990's

Mikronブランドの現行機種は二種類、シルバーは1997年に復刻版として、つや消しのブラックは1998年に新色として発売されました。第二次世界大戦前に作られたモデルには艶のあるラッカーで黒塗りされたものもあったそうです。それにしても色の違いだけで全く異なった印象になるものですね。

Mikron Silver and Black 01Mikron Silver and Black 02

さて、この二つのモデル、見かけの色だけでなく倍率などの仕様諸元も異なっています。その仕様諸元は、右側のプリズムケースの上に、シルバーは「6X15 8°」、ブラックは「7X15 7°」とそれぞれ刻み込まれています。

Mikron SilverMikron Black

ところで、Mikronを最初に見た時に何となく違和感を感じることがありました。少し後になってようやく気付いたのですが、それは眼に付くネジの全てがマイナスネジということにありました。現代ではプラスネジやへクス、トルクスなど、特に精密機器にはネジ山の潰れ難いものを使うのが「常識」だと思っていました。しかし、古いものだけでなく現在販売されているMikronにも未だにマイナスネジが使われています。例えば黒く塗られた直径2ミリほどのマイナスネジのネジ山を傷付けることなく緩めて、再び元に戻す、これには相当な熟練の技が必要です。少なくとも私にはできません。これもメーカーの「こだわり」ということでしょうか。
また、どちらのモデルも真鍮ではなくアルミを使うことで軽量化が図られています。アイカップの材質もプラスチックからゴムに変わっていますが、1960年代に製造されたものよりも5-10g程度重量が増えています。とは言うものの、この大きさと重量で最短合焦距離が2mということですから、博物館や美術館などへ行くときにポケットの中に入れて持ち歩いても嵩張らず邪魔にならずということですね。
ただし、小型軽量でレンズも小口径(15mm)、アイレリーフも短く10mm前後であるために、眼を接眼レンズにできるだけ近付けて、しっかり固定しないと手振れの影響で直ぐに観る対象を見失ってしまいます。これにはちょっとしたコツが必要ですが、慣れないうちは、両手の親指と中指で保持し、脇を締め、人差し指で眉毛の辺りを触れるように構えると良い、というのは一連の情報提供者である友人からの受け売りです。遠くを眺める時に両手をかざすと、人差し指が眉の辺りに来ますが、丁度そんな感じです。

歴史的"名機"のデザインを継承したモデル - ニコン双眼鏡「ミクロン 6×15 CF」を10月10日発売

双眼鏡「ミクロン」にブラックボディの倍率 7×モデル - ニコン双眼鏡「ミクロン 7×15 CF ブラック」を9月26日発売

ところで、この復刻版の2機種、1998年度のグッド・デザイン賞を受賞しています。

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2006年10月22日

Nikon Mikron 7X15 CF - 1960's

7X15 CFの現行モデルは黒塗りされていますが、以前はシルバーのモデルでした。そして、第二次世界大戦後直ぐに製造されたものの材質は真鍮にクロムメッキされたものでした。その後、軽量化を図るためにボディの材質にアルミ合金が使われるようになり、若干のデザインに伴ってアイカップにプラスチック素材が使われるようになりました。
1960年代に製造された(と思われる)この製品の重量は120gと歴代モデルの中でも最も軽量な製品のようです。

7X15CF OLD 027X15CF OLD 01
7X15CF OLD 037X15CF OLD 04

性能は現行の復刻版の方が明るくクリアに見えるように思います。しかし、オリジナルの革製のケースや開いた感じのアイピースは復刻版とは違った良さを醸し出していると思います。

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2006年10月21日

Nikon Mikron 5X15 CF - 1950's

ある記事の中で脇役的に双眼鏡を取り扱うことになりました。そして、この手の製品を集めている知人のことを思い出し、話を聞くことにしました。そして、その知人に彼のコレクションを見せて貰っているうちに、Nikon Mikronに目が留まりました。第一印象は「懐かしい未来:昔観た空想科学映画に登場する意匠」、古くて新しいデザインとでも言うのでしょうか。そして、そのユニークなデザインはもちろんのこと歴史的な背景を聞いているうちに一層の興味をかき立てられました。

Mikron 5X15CF 02Mikron 5X15CF 01
Mikron 5X15CF 04Mikron 5X15CF 03

1921(大正10)年に最初のモデルが創られ、85年を経た今でも陳腐化することのない造形美を見ているように思います。例えば、このモデルは1950年代の製造と推定されますが、1997年に復刻され現在も販売されているものと決定的に異なる部分はアイカップの材質と形状です。
金属製のプリズムケースの左側には富士山マークとしてお馴染みの「Nippon Kogaku Tokyo」のロゴと「Japan」という文字が、右側にはブランド名の「MIKRON」と「5X15 9.5°」のように仕様諸元が「刻印」されています。
このモデル、見たとおり小型で軽量(125g)という印象が強いのですが、実際に持ってみるとヒンヤリと、そして、ズッシリとした手応えを感じます。掌に隠れるほどの大きさに金属をまとったガラスの集合体をまとめたのだ、ということを実感します。実はロレックスのオイスターケースのように金属の塊から直に削りだし、中にプリズムやレンズ類を詰め込んでいるのではないかという印象も持ちました。
このMikronはオリジナルのカチッと作られた焦げ茶色の革製ケースに入っています。この革製ケースの蓋の部分にはプリズムとレンズをモチーフにした旧いロゴが型押しされています。そして、ファスナー部分は真鍮製でARROWの刻印、内側に張られた焦げ茶色のベルベット地も良い味わいだと思います。
そして、記録によると、この5X15 9.5°のモデルは、1953年に製造開始、1960年に製造終了ということになっています。実に半世紀前に製造された製品ということになります。

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2006年10月15日

Nikon Mikron

ひょんなことから、仕事絡みで双眼鏡を手にすることに。
数年前、小型船舶操縦士の免許を取得した頃にオトモダチに上手くノセられてSTEINER社の防水型双眼鏡を手に入れたことがありますが、このところは年に2回、箱根駅伝と花火大会以外に出番がありませんでした。

Nikon Mikron

そして、今回は劇場でも使える双眼鏡ということで、最初はオペラ・グラスと思っていたところ、最終的にこのレトロな雰囲気の超小型双眼鏡をピックアップすることになりました。
ニコンは日本光學の名称で1917(大正6)年に双眼鏡の製造を始めたのだそうです。そして、1921(大正10)年に双眼鏡の商標「MIKRON(ミクロン)」が誕生、同時に超小型双眼鏡「MIKRON 4×/ 6×」の製造販売を開始しました。このユニークなデザインの超小型双眼鏡は設計変更と改良を加えられながら第二次世界大戦も乗り越えて1974(昭和49)年まで販売されていました。

ニコンの製品年表「アイウェア、望遠鏡、測量機」

そして、創業80年目を迎えたニコンは1997年に昔のデザインそのままに超小型双眼鏡MIKRONを復活させました。その翌年には(戦前に販売されていた)黒塗りのモデルが発売されました。復活されたMIKRONの仕様は6×15のCF(注)、黒塗りMIKRONの仕様は7×15のCFとなっています。
その後、2000年には「お約束のミレニアム」のゴールドのモデル、2001年にはシャンパン・ロゼのモデルが限定数量販売されているようです。
印象としては光学機器専門店の取り扱いという印象を持っていたのですが、ヨドバシカメラとかビックカメラなどの量販店でも展示用機材が置かれているようです......考えてみればヨドバシカメラもビックカメラもその名の通りカメラ屋さんだった訳ですから置かれているのが当たり前と言えば当たり前ですね(苦笑)

注)CFはセンター・フォーカスの略、焦点調節を中央の転輪で行う方式で素早いピント合わせが可能。この他には左右の接眼レンズ部分のリングを操作してピント合わせを別々に行うIF(インディビジュアル・フォーカス)方式があり、こちらは気密性を高く作れるために主に防水型の双眼鏡に採用されている。

*写真および情報の提供は元デザイナーで現在は何をやっているのか良く分からないA氏

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2006年10月08日

Gerber Mini FastDraw

GerberMini-FastDraw.jpg久しぶりの新着ナイフ情報。ここ数年、米国ナイフ業界ではAssisted Opening Systemというのが流行っているそうです。これは折り畳み式のナイフの刃を開くときにスプリングを使ったメカニズムが補助してくれるということなのですが、各メーカーそれぞれに工夫した機構をナイフに組み込んで鎬を削っているようです。
GERBER社も例外ではなく、オートマチック・ナイフのカスタム・メーカーとして有名なButch Vallotton氏の発明による機構、F.A.S.T.を全長5インチ程度のナイフに組み込んでいます。一見便利そうに見えますが、この5センチ程度の刃をわざわざスプリングの力を使って出す必要があるのかどうか......

*情報提供は時々思い出したように米国のナイフ事情を伝えてくれるGlacken氏

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